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フランス人が高い消費税をおとなしく払う理由

2012/05/16 15:42

 

「ニューズウイーク日本版」523日号の巻末コラムでフランス人ジャーナリストのレジス・アルノーさんが、<「消費税の国」フランスが教えるその功罪>について書いている。

 

現在、フランスの消費税は196%。これはOECD経済協力開発機構27か国のなかで5番目に高い。ちなみに5%の日本は23番目になる。

 

いま5%の日本は、10%アップするかどうかで内閣の命運がかかっている。それなのにサルコジ大統領は229日、196%から212%への引き上げを議会に承認させている。

 

アルノーさんによれば、世論の反発は少なかったという。サルコジ氏が再選を果たせなかったのは別の理由によるとか。

 

それにしても、なにゆえにフランス人は高い消費税をおとなしく払うのか。アルノーさんがいう。

 

フランスでは日本よりもはるかに、国民の日々の暮らしに国家が関与している。無償の医療制度や教育制度が整備され、社会的セーフティーネットも万全だ。日本では勤続20年で年収600万円の40歳のサラリーマンが失業すると、月額21万円の失業手当が9か月問給付される。信じ難いかもしれないがフランスなら給付期間ははるかに長く、給付額はその3倍だ>

 

<要するにフランス人にとって消費税は「未来の収入」のようなもの。就職前の教育費、病気で働けないときの薬代、退職後の生活費を賄う。納めた税金は日本では信頼を失った年金制度に消えていくが、フランスではいずれ納税者自身に戻ってくる。日本政府がもっと納税者のことを考える姿勢を見せない限り、日本の納税者は納得しない>

 

しかし、いいことばかりではない。

 

<一方で、高い消費税率は起業家精神に水を差すこともお忘れなく。料理1品につき196%の消費税を払うなんてレストラン経営者には酷だ。このことも、レストランがパリには少なく東京にはあふれている一因だろう>

 

そしてアルノーさんは、日本の政治家にこう呼びかけて締めくくっている。

 

<親愛なる政治家の皆さん、起業家精神に水を差し、失業率を上昇させ、結果的に税収が減ってもいいのなら、フランスの例に倣おう。ただしその場合は手厚い社会保障も忘れずに!> 

 

〔フォトタイム〕

 

六本木の龍土町美術館通りその3

タヌキの前にずらりとワイン。そういう粋なところが、いかにも六本木ですね(と思ったら、空瓶??)。

 

 

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カント先生の昼食会

2012/05/15 16:55

 

ドイツ文学者の池内紀さんが「潮」に連載していた、<カント先生の散歩>は18回目の6月号が最終回だった。

 

カントの本など、読んでもわからなかったが、このエッセーは面白かった。わたしにとって哲学の興味深いところは、それぞれの思想ではなく、それを紡いだ哲学者の生き方の面白さにある。

 

カントはきっと早熟な人と思っていたが、池内さんによれば、遅咲きの人だったという。これでいっぺんにカントが好きになった。

 

母校の大学教授になったのは46歳のとき。主著である『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』を書いたのは、それぞれ57歳、64歳、66歳のとき。王城のすぐ下の自宅を入手したのは59歳のとき。生涯独身であった。

 

カントの日常生活はこんなぐあいだったという。

 

午前445分、召使いが寝室に入って、「お時間です」と声をかける。寝室は鎧戸がおろされて、いつも真っ暗闇だった。カントは南京虫が大嫌いで、南京虫は太陽の光をうけると繁殖すると信じていた。

 

あさ、カントは書斎で朝食をとる。といっても、お茶を飲むだけ。なにも食べない。理性をとぎすましておくためには、空腹でなければならない、と。

 

かわりにパイプをふかす。そして午前7時から始まる講義のことを考える。紙片にキーワードを書いていくだけで、講義ノートはつくらない。

 

ふたたび寝室に戻り、着替えをする。頭に身だしなみのかつらをつけて。

 

きっかり7時、講義用の部屋へ降りていく。すでに学生が待機している。

 

10時に講義は終了。カントは上階にあがり、部屋着とスリッパにもどって、執筆の準備にはいる。

 

午後零時45分、カントは執筆を中断して上等の服に着替える。昼食に客を招いているのだ。

 

ここからは池内さんの文章をそのまま引用する。

 

<まずはヌードルスープ。カント先生がパンをちぎってスープに入れるのは、ドロついたのが好みだからだ。おつぎは魚料理。メインが牛のビーフで、デザートはバターとイギリスチーズ。つねに四分の一リットル入りのフラスコ・ワインがお相伴をする>

 

<客一同はのろのろと食べ、慎重に飲む。さもないと料理とワインがすぐに尽きてしまうからだ。おしゃべりは活発で、あのこと、このことは話題にしても、哲学については決して言及しない>

 

午後4時、客たちは帰り、カントは散歩に出かける。散歩から帰ると、翌日のメニューを料理女に伝える。とはいえ、ほとんど前日と変わりない。

 

夕食はパンとチーズでかんたんにすまし、10時までは自由時間。そしてぴったり10時、カントは床につく。

 

1804112日の昼前、苦しみもなく、死去。「エス・イスト・グート(もう十分)」というのが、さいごのことばだったという。

 

〔フォトタイム〕

 

六本木の龍土町美術館通りその2

通りに入ってすぐ左側に路地があって、その先に六本木ヒルズが見えました。

 

 

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ラングーン事件とファンファーレ

2012/05/14 17:33

 

韓国李明博イ・ミョンバク)大統領が14日、ミャンマーを訪問するという。韓国大統領のミャンマー訪問は29年ぶりだ。いうまでもなく、あのラングーン爆破テロ事件のせいである。

 

ビルマがミャンマーになり、ラングーンはヤンゴンになったが、1980年代に韓国大統領を狙った北朝鮮の爆弾テロはいまもラングーン事件と呼ばれる。

 

李明博大統領のミャンマー訪問を機会に、韓国とビルマ双方で21人が死んだ悲惨な事件を振り返ってみたい。

 

ビルマのときであろうと、ミャンマーになってからであろうと、この国を訪れる国賓は、公式行事の最初のほうで建国の父、アウンサン将軍の廟を訪れることになっている。

 

いうまでもなく将軍はアウンサンスーチーの父親で、独立達成を見ずに暗殺された。

 

こういう慣習化された日程はテロリストにとっては、目標設定がたてやすい。

 

1983年に全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領のビルマ訪問が発表されると、北朝鮮は大統領暗殺にむけて動き出した。全体の指揮をとったのは、朝鮮人民民軍将校の張成禹(チャン・ソンウ)といわれる。

 

現在、金正恩(キム・ジョンウン)の後見役をつとめる張成沢チャン・ソンテク)の実兄だ。のちにかれは人民軍次帥に出世し、2009825日に死亡した。

 

全斗煥大統領は1983年の109日午前1030分、ラングーン市内のアウンサン廟に参拝することになっていた。むろん、ここまで正確な日程は発表されていなかった。

 

では、北朝鮮側の行動を追ってみよう。

 

北朝鮮は特殊部隊から選り抜きの将校を派遣した。少佐のチン・モをリーダーに大尉2人の3人が922日、北朝鮮の貨物船でラングーンに入った。

 

数日間、かれらはじっとして動かず、身を隠していた。アジトは北朝鮮の外交官のアパートだった。

 

なんとかれらは105日には、アウンサン廟近くに陣地をかまえ、爆弾の配備などに取りかかっている。日時は不明でもかならず、ここに全斗煥があらわれるのはまちがいないからだ。

 

警備のうすいときに準備をすませておくためにも、4日前から行動を起こしたのである。そして、現場近くに身を潜めて大統領の到着を待った。あらわれたらチン・モが爆弾の発火装置のボタンを押すことになっていた。

 

109日午前1028分、韓国の国旗をつけたメルセデス280がアウンサン廟近くで停まった。同時にトランペットによるファンファーレが鳴り響いた。ファンファーレで迎えられるのは特別な人だけであり、チン・モはボタンを押した。

 

大爆発が起き、韓国の副首相や外相、商工相らが死んだ。しかし、全斗煥は無事だった。じつは、まだ到着していなかった。肝心のところでテロリストたちはミスをおかしたのだ。

 

ファンファーレが原因だった。

 

メルセデス280にはビルマ駐在韓国大使が乗っていた。ビルマ側は、リハーサルをかねてトランペット奏者にファンファーレを命じたのであった。

 

全斗煥大統領は、リハーサルのファンファーレで命拾いしたのであった。

 

〔フォトタイム〕

 

六本木の龍土町美術館通りその1

東京メトロの六本木駅から国立新美術館へ行く途中、近道があります。六本木の龍土町美術館通りです。

 

 

 

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マスクをしたニット帽の男

2012/05/13 08:53

 

やたらに人を疑ってはいけない。とくに現代社会のようにジンケン、ジンケンとジンケンとハレモノが同じようになった世相にあっては、人を見たら泥棒と思え、などとは決して口にしてはいけないのである。

 

しかし、物言わぬは腹ふくるること。

 

だから、つとめて声をひそめていうのだが、ATMにマスクをしたニット帽の男がいたら、怪しくないか、ひとまず疑ってみよう。

 

行方不明になっていた岐阜県の幼稚園の女性教諭(40)が山中で遺体となって発見された。ATM現金自動預払機)で被害者の口座から現金計85万円が引き出されていた。

 

このATMの防犯カメラには、被害者のものとみられる2枚のキャッシュカードを使って現金を引き出す男が映っていた。

 

案の定、マスクをしたニット帽の男だった。この男が犯人とはまだ断定できないが、限りなく犯人に近い。

 

それにしても当節のマスクのなかには、やたらに大きいのがある。そこにニット帽をかぶると、完全に覆面の男となる。マスクとニット帽は犯罪者のツールなのだ。

 

こういう文字通り、見た目にも怪しい人物がATMの前に立ったときは、自動的に警察に通報され、映像が瞬時に送られるようなシステムでも開発してはどうか。

 

といったことを書くだけでも、個人のプライバシーをどうするんだ、とお叱りをうけそうだが、それは重々承知のこと。

 

いまはとにかく犯人逮捕が先決。捜査の進展を祈るが、こういった悲惨な強盗殺人事件に対処するには、あるていどの人権侵害はがまんしなければならないのだ。

 

〔フォトタイム〕

 

神田明神屋上庭その7

華麗な随神門です。

 

 

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ほんとうのホント

2012/05/12 11:32

 

民放のBSを見ていると、健康食品や化粧品のCMが多い。タレントを起用しているところもあるが、どちらかといえば、一般の人のほうが登場しているケースが多いように思う。

 

家庭の主婦が、「ほんとうに効くんですよ、ホントに」というと、ほんとうのホントに思えてくるから不思議だ。

 

タレントの場合は、ギャラをもらって演技をしているが、一般の人はそういうつくりごとはない、という先入観のようなものが視聴者の側にあるのだろう。

 

もっとも、CMに出演している人たちが、ほんとうのことをいっているかどうかはわからない。

 

だいたい、使用前と使用後の写真だって、どうにでも操作できるのが、いまのご時世だ。

 

結局、その責任はそういう製品を買うか、買わないかを決めるユーザー側にあって、CMに登場して「ほんとうに効くんですよ、ホントに」と呼びかけている人ではない。

 

そんな当たり前なことはともかく、健康食品の根強い人気には感心する。やはり、ほんとうに効く場合があるのだろう。

 

がんの特効薬もそうだが、ある人には見事なほどよく効くときがある。健康食品などもそういうケースがあるはずで、はなから敬遠することもないと思う。

 

〔フォトタイム〕

 

神田明神屋上庭その6

JR御茶の水駅より歩いて5分です。

 

 

 

 

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乱世に生きていくためには

2012/05/11 15:52

 

ふたたび週刊文春5月17日号から。今週の「阿川佐和子のこの人に会いたい」は、近著『下山の思想』(幻冬舎新書)が話題になっている作家の五木寛之さんだ。

 

この対談のさいごの部分を紹介しよう。

 

阿川 この乱世にこそ五木さんの言葉をもっと聞きたい! と思っている人は多いと思いますよ。

五木 僕の思ってることは常に単純なんです。この乱世に生きていくためには、まずは自分の体を大切にすることが基本じゃないか、と。

 

阿川 健康第一だと。

五木 でもそれは、薬を飲んだり、病院で検査を受けるってことじゃない。自分の体と親しむということ。健康に関する情報は氾濫しているでしょう。朝食は絶対不可欠であるという説の一方で、一日一食でいいんだという人がいたり、粗食がいい、いや粗食はダメ、メタボは成人病の原因、いやちょっと小太りくらいのほうがいい……。僕も右顧左眄(うこさべん)して、因ってしまう。

 

阿川 どうすりやいいの~?

五木 だから『選ぶカ』なんですよ。阿川さんが書かないんだったら、僕が書くけど(笑い)。

 

阿川 アハハハ。でもホント、何を信じたらいいんでしょうね。

五木 結局、自分の実感だと思いますね。いろいろ試して、その実感に正直に従う。その責任は自分で取る。それしかないんじゃないかな。玄米は体にいいっていうけど、玄米が合わない人もいる。だったらやめればいい。僕は五〇年間、朝五時に仕事を終えて明け方の六時に寝るという夜行性の生活です。すべての人が早寝早起きを勧めますけど、僕にはこれが合ってるから。

 

阿川 人の言うことに翻弄されない。

五木 自分の動物的実感が大事だということですよね。乱世では自分の貧弱な肉体しか頼るものがないわけですから、その体の声に耳を傾け、できるだけ大切にしていく。それしか、こんな時代に生きる道はないんじゃないかと思います。阿川さんも、お大事にね(笑い)。

 

五木さんのように、自分の動物的実感を大事にしたいと思う。言い換えれば、自分に正直に生きるということ。

 

これって、案外、むつかしい。大方の人がそうありたいと思い、たいがいは挫折を味わっている。

 

しかし、自分の意志でなんとかなるのだから、すいすいと思うままに泳ぐような生き方はまったく不可能ということでもあるまい。

 

〔フォトタイム〕

 

神田明神屋上庭その5

屋上庭から境内の一部を見下ろせます。

 

 

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赤瀬川さんの生き方

2012/05/10 19:11

 

週刊文春5月17日号の「私の読書日記」は、俳優の山崎努さん。赤瀬川原平さんの『健康半分』について書いていたので紹介したい。

 

<人には好き嫌いがある。その「好き」が先に出る人と、「嫌い」が先になる人がいて、これは性格だから仕方がないが、人生も押し迫ってくると、「好き」が強いタイプのほうが楽なのではないか。と、赤瀬川原平が『健康半分』(デコ 1200円+税)のなかでいっている>

 

赤瀬川さんの本は読んでいないが、自分の考えもそれに近いと思った。できれば、当方も「好き」が先に出る人でありたい。

 

世の中には、好き嫌いの激しいひとがいる。おしなべていえるのは、そういうタイプは「嫌い」が先になる人に多いように思う。

 

「嫌い」が先になる人は、みんなで大皿盛りのにぎり寿司をたべるときにすぐわかる。寿司に顔を近づけて、どれにしようかと迷っているからだ。

 

また、「嫌い」が先になる人は居酒屋へ入ると、やたらに人の悪口をまくし立てる。「好き」が先に出る人は、もっぱら聞き役ということになる。

 

赤瀬川さんに戻ろう。山崎さんが、つぎのような一節を引用していた。

 

<「怪我や病気で落ち込んでも、なにか小さな未来の好きなことをまず思い浮かべる。夜の野球中継を期待したり、夕食はどうもオデンになるらしいぞとか、なにか近未来の自分の楽しみを期待する」。

たしかにこれは晩年をしのぎやすくするコツの一つだ>

 

この赤瀬川に、山崎さん同様、同感だ。「嫌い」が先になる人はマイナス思考タイプなら、「好き」が先に出る人はプラス思考の持ち主ともいえようか。

 

どんなささやかでもいいから、近未来の自分の楽しみをみつけておきたい。

 

<歳をとると、どうしても「頻尿」になる。赤瀬川は、町でトイレを見かけたら、「まだ大丈夫」でも、「後悔をしないように」必ず用を足すことにしているという>

 

これまた、同感である。電車で目的の駅に着いたときは、つとめて改札口から出る前にトイレへ立ち寄ることにしている。

 

「私の読書日記」は、赤瀬川さんのつぎのことばでむすびとしている。

 

<鳥は空を飛ぶために身を軽くしておかないといけない。だから少しでも溜まると飛行しながら排泄しているらしい。老人は、鳥に近づいているのだ、と思っておけばいいのだそうだ>

 

〔フォトタイム〕

 

神田明神屋上庭その4

こういう庭園が、神田明神にあるのです。

 

 

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尖閣購入寄付が3億円突破

2012/05/09 18:43

 

けさの産経新聞によれば、東京都が開設した尖閣諸島の購入資金の寄付金が11日間で2億27898890円、件数にして17752件に達したという。

 

この件数、金額をどう見るかは、人それぞれであろう。わたしは、予想外の高額であり、件数も多いと思った。

 

領土問題というのは、とても重要な問題であるのは、国民だれしもわかっている。しかし、そう思っている割には、どこか身近でないという困った雰囲気が日本にはある。

 

国境問題もまたしかり。海に囲まれていて、国境という問題でほとんど悩んでこなかったので、これまた鈍感である。

 

昔、台北で民進党系のある組織の事務所を訪れたことがある。通された応接室に大きな台湾の地図がかかっていた。何気なく見ると、尖閣諸島が入っている。

 

台湾は親日的だと思っていたので、冷や水を浴びたような気持ちになったのを覚えている。じつは、尖閣諸島どころか、沖縄も自分たちの領土だと主張しているというのをあとで知って、領土にかんする自分の無知にわれながらあきれたものだ。

 

と、ここまで書いたところで夕方のNHKニュースが、寄付の総額が3億円を超え、件数も2万件を突破した、と報じた。

 

この勢いは、まだまだつづくと思われる。日本人の領土意識は健全だった、ということであろう。

 

〔フォトタイム〕

 

神田明神屋上庭その3

年の初めには神田明神にお参りしています。

 

 

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白鳥、芦花に入る

2012/05/08 17:28

 

日本記者クラブで7日、警察庁の片桐裕長官の話を聞いた。治安情勢、災害対策、暴力団対策、サイバー犯罪対策、捜査手法や取り調べの高度化など多岐にわたった。

 

そのときの話は、おいおい紹介することもあろう。こんかいはちょっとわき道の話。

 

日本記者クラブに招かれてスピーチするゲストは、それぞれ自分の好きなことば、座右の銘などを記帳していくのが慣例となっている。

 

「白鳥、芦花(ろか)に入る」というのが、この日、片桐さんの書いたことばであった。

 

下村湖人の「次郎物語」の第三部に出てくる。

 

主人公の次郎が旧制中学の1年生だったとき、朝倉先生を中心とした集まりの「白鳥会」に参加した。その会は先生の自宅でおこなわれた。

 

部屋に、「白鳥入芦花」と読みにくい草書体で書いた額があった。

 

どういう意味かわからずに頭をひねっている次郎に、先生の奥さんがこうヒントを与える。

 

「芦の花って真っ白でしょう。その真っ白な花が一面に咲いているなかに、真っ白な鳥が舞い込んだっていうのですわ」

 

あとで、先生も次郎にこう解説してくれた。

 

「真っ白な鳥が、真っ白な芦原のなかに舞い込む。すると、その姿は見えなくなる。しかし、その羽風のために、いままで眠っていた芦原が一面にそよぎだす、というのだ。お互いに、この白鳥のまねがしてみたいものだね」

 

片桐さんは、組織のなかで、「オレが、オレが」とでしゃばることを、「白鳥、芦花に入る」ということばで戒めたのである。

 

功名を求めず、黙々と自分の責任を果たしていく。目立たないけれど、しっかりと自分の立ち位置は守って存在感を失わない。ヤクルトの宮本選手のように。

 

しかし、そういう例はなかなかみつからない。ほとんどは白鳥ならぬ黒鳥。

 

先般、「ブラックスワン」という映画が評判になったが、真っ黒な鳥が真っ白な芦原のなかに舞い込む。オレが、オレがと目立とうとする。「黒鳥、芦花に入る」という世の中になってはいないか。

 

〔フォトタイム〕

 

神田明神屋上庭その2

正面左側に階段があります。

 

 

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ハリケーン「カトリーナ」の場合

2012/05/07 08:31

 

けさ7時のNHKニュースでは、きのう午後1時前、つくば市で発生した75キロにおよぶ竜巻の映像を放映していた。

 

視聴者の撮影で、すさまじい光景がとらえられていた。一軒家が吹っ飛んだ跡にはぞっとした。最悪の場合、人間も宙に舞う可能性があったということだ。

 

また、テレビ朝日のモーニングバードでは、ゴルフのボールくらいの雹(ひょう)を映していた。これだけの大きさだから、顔面でも直撃されたらたいへんなことになる。

 

これらの映像を見ながら思ったのは、あのハリケーン「カトリーナ」だ。いったい、どういう事態になったのだろう。

 

カトリーナなんて可憐な女性の名がついているが、1833人の命を奪った想像を絶する超大型のハリケーンだった。

 

あらためて新聞の切り抜きを読んでみたが、天災もさることながら人災の怖さを感じた。

 

ハリケーン「カトリーナ」が米南部ルイジアナ州のニューオーリンズに上陸したのは、2005829日だった。被災前のニューオーリンズの人口は48万人で、67%が黒人だった。

 

前日、超大型ハリケーンの襲来が予告され、退避命令が出された。しかし、市民の多くは動かなかった。これがその後の阿鼻叫喚を増幅することになった。

 

ハリケーン「カトリーナ」で堤防が決壊し、ニューオーリンズの8割が水につかってしまった。救援、救出は遅れ、治安が悪化した。

 

市民の多くはがれきと化した街を離れ、ニューオーリンズの人口は半減した。

 

発生から2年後の2007829日になっても、16万人以上が戻って来なかった。人口が減ったのに殺人事件はふえ、2006年の殺人事件の犠牲者は161人、2007年は200人を超えた。

 

いうまでもないが、この犠牲者数は全米ではなく、ニューオーリンズだけの数字。アメリカの暗部というよりも、人間の業(ごう)の深さにはアゼンとせざるを得ない。

 

〔フォトタイム〕

 

神田明神屋上庭その1

毎年、神田明神へお参りに行く人にも、案外、ここは知られていないようです。

 

 

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